To コットン
昨日からの続き
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露店じゃよ。
駅から図書館までのその細い道には、盲人用の黄色いパネル
(駅のホームにあるあれじゃな)が敷いてあったんじゃが、
ずらりと並んでいる祭の露店が、その上をみごとに
覆いかぶしてしまっていたのじゃ。
なるほど、それで、この子は困っておったのじゃなと。
いや、「困っておった」というのは、正しい言い方ではないのぅ…
その子が道端に立って、「図書館はどこですか」と繰り返しているのを
見たとき、「困っている」というのともまた違う、何かグッと強いものを、
わしは感じたからじゃ…
まぁわしがそう、感じただけなのかもしれんがの(笑)
そんなことを考えながら、図書館までの道を
その子の手を引きながら、歩いておった。
そして図書館までもうすこし、というところまで来た時、
その子が口をひらいたんじゃ。
「図書館まで、まだお店は出ていますか?」
とな。
「うん。少し出ているけど」
とわしは答えた。
そこから図書館まではもう大分ひろい道になっていたので、
露店は出ていても、黄色いパネルには被っていないようじゃった。
それを彼女も感じとったんじゃろうか、
「でもここからなら、一人で行けます。
どうもありがとうございました。」
と、礼を言って、その子はそこから一人で歩いていったのじゃ。
そこから図書館までの道のりは、ほんの短い距離だったけれども
わしは不安だったので、その子の後ろ姿をしばらく見守っておった。
その時じゃ。
(さて、次は最後のお話じゃ)