Make your own free website on Tripod.com

To コットン




昨日からの続き

----------------------------------------

露店じゃよ。

駅から図書館までのその細い道には、盲人用の黄色いパネル
(駅のホームにあるあれじゃな)が敷いてあったんじゃが、
ずらりと並んでいる祭の露店が、その上をみごとに
覆いかぶしてしまっていたのじゃ。

なるほど、それで、この子は困っておったのじゃなと。

いや、「困っておった」というのは、正しい言い方ではないのぅ…
その子が道端に立って、「図書館はどこですか」と繰り返しているのを
見たとき、「困っている」というのともまた違う、何かグッと強いものを、
わしは感じたからじゃ…

まぁわしがそう、感じただけなのかもしれんがの(笑)

そんなことを考えながら、図書館までの道を
その子の手を引きながら、歩いておった。

そして図書館までもうすこし、というところまで来た時、
その子が口をひらいたんじゃ。

「図書館まで、まだお店は出ていますか?」

とな。

「うん。少し出ているけど」

とわしは答えた。

そこから図書館まではもう大分ひろい道になっていたので、
露店は出ていても、黄色いパネルには被っていないようじゃった。
それを彼女も感じとったんじゃろうか、

「でもここからなら、一人で行けます。
どうもありがとうございました。」

と、礼を言って、その子はそこから一人で歩いていったのじゃ。

そこから図書館までの道のりは、ほんの短い距離だったけれども
わしは不安だったので、その子の後ろ姿をしばらく見守っておった。

その時じゃ。


(さて、次は最後のお話じゃ)